金沢 尾山町 ジャズ喫茶&ジャズバー Jazz Spot 穆然

ジャズを聴きたくなったら…

jazz

穆然ではライブはしておりません。レコード演奏で、楽しんで頂きます。

何故って、レコードには70年を超す、膨大な記録があり、世紀の名演もいっぱい残っています。驚くことに40年代のレコードでも、生々しい素晴らしい録音のモノも多くあります。40年代といったら、ナチスドイツがヨーロッパを蹂躙し、やがて、滅んだ時代。帝國日本も終焉を迎えた。そんな時代にチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーはブンブン飛ばしまくっていたし。コールマン・ホーキンス、ベン・ウェブスター もブヒブヒ吹いていた。モンクも既に踊りまくっていたらしい。どうも、この頃の連中が凄まじい。そして、40年代後半にビバップの円熟期が訪れると、マイルスというとんでもない大天才が出てきて、クールだの、モードだのやりだして、ジャズの進化は一気に加速する。そんな中、更に超高速で進化したコルトレーンは竜巻よろしく、周りを巻き込みながら一気にあの世まで行ってしまい。マイルスはジャズから飛び出していった。後に残された、フリーの方々は空中分解して、極一部の才能を除いて、職を失った。ジャズミュージシャンに残された道は、懐古的なカクテルジャズか、妙に生活感の無い、フィージョンしかなかった。しかし、進化とは無縁の世界にいて、常に最先端のミュージシャン達に影響を与え続けた、モンクは相変わらずグルグルと回っていたけど、世間に愛想を尽かし、内に籠もってしまい、やはり逝ってしまった。

あと忘れてはならないのが、ドルフィー。彼の早世はあまりにも痛い。良い意味で、コルトレーンにブレーキをかけれた唯一の存在ではなかったかと、近頃思う。否、ドルフィーがいれば、あれほど急激な進化は必要は無かったのではないか。ということだ。

あともう一人大切な御仁がいらっしゃる、ミンガスだ。このどこかの親分さんか、土建屋の棟梁の様な大男は、体格の通り強力な押し出しで、ブンブンベースを鳴らしまくり、周囲のミュージシャンを飯場の荒くれ者如きにこき使うが、意外にもナイーブにして非常に繊細な感性の持主で、彼の音楽は緻密に構成されている。それも、才能溢れたミュージシャン達の尻の叩き方が絶妙で、ミンガスの下、みんな程良く壊れて、凄まじい演奏をした。彼も早くから前衛的であったが、彼にとっては、必然的なことで、当たり前の成り行きだったのかもしれない。ミンガス、モンク、ドルフィーは進化ではなく、音楽の中にある真意を独自の解釈で、鋭く深く捉え、表現した。それは類い希な才能の持主しか出来ない、至高の芸術だったと思う。何故なら、彼らの後を受け継げたミュージシャンはいないからです。
40年代から60年代にかけて、そんなミュージシャンが沢山いました。という訳で、往年の名手、天才、奇人、変人のレコードを聴くだけで、私の人生は尽きてしまいます。

いいレコードをイッパイ聴いて、それに負けない現代の素晴らしいミュージシャン探しも、楽しいと思います。(克)