ドルフィーを聴け! vol.1

  • 2008-12-07 (日)

昨日の深夜、帰路の車中のラジオから懐かしい声が流れてきた。故岡本太郎氏の講演の模様らしい。
往年の噺家のような小気味の良い語り口。軽口を叩いている様な口調で、凄いことを言ってのけている。
と、突然忘れていた名言がスピーカーから飛び出してきた。
「芸術は、綺麗ではダメ!上手ではダメ!心地よくてはダメ!」
「何だ、これはー!という驚きが無ければダメだ!」
「綺麗と美しいは意味が違う。」当に!
下手な例えだけど、綺麗なグラスとは、汚れいないグラスという状態を指す。
美しいグラスとはグラスその物の本質を指しているのだと思う。
まるでモンク、ミンガス、ドルフィーを表しているような言葉だ。
また、上手とは、「お手本通り出来たね。」という、お習い事の時の誉め言葉。
更に、岡本太郎氏は若き日の決意をこう述べた。
「人目を気にしては芸術は出来ない。人目を気にしないと、絵は売れないかもしれない。売れなければ、ご飯は食べれない。食べられなければ、死ぬかもしれない。よし、俺は死んでやろう!」
凄いこと決意したものだ。でも、ドルフィーの生き様そのものみたい。ドルフィーが「俺は死んでやろう!」と考えたとは思えないが、結果は残念ながら、そうなってしまった。
死後40年以上経って、ドルフィーの芸術性は更に際だってきたような気がする。

綺麗に着飾ったジャケットに入ったCDには、心地良い曲が上手に演奏されている、昨今のジャズ。癒やしのジャズ。
これで、いいの〜?
「よし、ドルフィーを聞き倒して、よく考えてみよう。」
At the Five Spot 1